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機巧館のかぞえ唄  (ねこ3.7匹)

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はやみねかおる著。講談社文庫。

霧に包まれる機巧館。館に住む老推理作家は密室の書斎から煙のように消えた。机に残された『夢の中の失楽』という題名の推理小説。やがて作中のかぞえ唄の通りに見立て殺人が起きて…。どこまでが現実でどこまでが夢なのか。名探偵夢水清志郎をして、「謎を解くのが怖い」と言わしめた事件の真相とは。 (裏表紙引用)


「名探偵夢水清志郎探偵ノート」シリーズも、早いものでもう第6弾が文庫化。
面白さは減速いたしません。夢水教授は相変わらずカビの生えたような家で糸電話発言をしてますし、サブキャラの上越警部もそろそろ教授を射殺したくなっているかもしれません(笑)マンネリと言えばマンネリなんですが、こういうキャラの面白さは楽しみどころの一つなので大歓迎。

今回は、ちょっと趣向を変えて3編のお話が収録されておりますね。第1話の怪談会?は第2話への序章という感じがなきにしもあらず。メインはやはり「機巧館殺人事件」ですね。これはなかなか構成と作風が凝っておりまして、油断して読んでいるとはやみねさんの”赤い夢”に取り込まれて混乱してしまいます。結局何が真実だったのかは神のみぞ知る、ですか。大人が読んでも充分面白く、引き込まれることでしょう。

第3話の赤ちゃん誘拐事件もなかなか良かったです。教授の優しさが垣間見えましたし、なんだか凄いキャラクターを育ててしまったのでは!?^^;創人君が出て来るお話ってどれなんだろう?これが10年くらい前に執筆されたものだと言う事は、もう出版されているのでしょうかね。うーん、読みたいぞな。講談社文庫で出してくれないかなあ。