すべてが猫になる

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ぼくらはみんな閉じている  (ねこ3.8匹)

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小川勝己著。新潮社。


笑顔が見たかっただけなんだーー。ただ、一緒にいたかったのーー。きっかけは些細なことだった。
自分だけは堕ちるはずがないと思っていた。しかし、いつしか夢想は妄想へと変貌し、熱烈な愛情は
純粋な狂気に姿を変えた。欲望という脳内麻薬が炸裂するとき、人は想像を超えた行動に出る!
鬼才が描く、心の壊れてゆく九つの風景。(あらすじ引用)



いや~、小川さんはやっぱり楽しめるねえ^^ゆうべ読んだ『ギニョル』との連続読みはかなり
キツかったけど、この読みやすさと常人とは思えぬ発想爆裂の世界観はやめられません。
今回も短編集。『あなたまにあ』に比べると好みの差が激しかったかな。特に、後半の作品群が
キタねえ。

『点滴』
入院している父の看病をする娘。彼女は父に深い恨みがあった。。。
若い福祉士の存在がいいですね。小川さんならもっともっと破滅で破滅を呼ぶような展開になるの
かと思ってました。一般人にとっては十分絶望的ですが^^;

『スマイル・フォー・ミー』
麻薬中毒になった恋人の為に、青年が取った壊滅的な行動とは。。
これも小川さんならばもっともっと、という感じですね。いや、一般人にとっては破滅ですが^^;
麻薬に依存している人間の心理としては有り得るんじゃないかと想像してしまうわけです。

『陽炎』
夫に不満のある40代の妻が、ある日庭で出会った中学生の少年と不倫関係に。
時代の差かもしれませんが、自分はこういう亭主関白な夫と迫害された貞淑な妻という関係には
嫌悪の前に疑問を感じてしまいます。って、真面目な感想書いてどうするんだ^^;いやあ、
でも、現代にも色々病魔がいますからね。一概には言えませんが、趣味でも持てばいいのにと。。

『ぼくらはみんな閉じている』
いきなり男が何者かに監禁され便○にされています^^;一行目のインパクトは凄い。。おいらには
とても言えない。。。コミュニケーション不足の最近のおいらとしては、他人事ではない
寂しさがあるお話でした。

『視線の快楽』
『陽炎』とちょっと似たお話ですね。いやあ、悪い事は出来ませんねえ^^;
状況が破壊されれば破滅ですが、心が破壊された場合は……と思うと。。
あまりの破滅っぷりに笑ってしまいました。。

『好き好き大好き』
これこれこれ!!!小川さんはこうでないと!こういうのを求めていました!!!
ミステリ的などんでん返しと、このイライラさせる勘違いっぷりが大爆発。変人を描いたら
日本一だねえ、小川さん。わははは、気持ち悪くて涙が出そう^^;

『胡鬼板心中』
珍しく、時代物がかった雰囲気のお話です。画家の兄と羽子板職人?の弟が繰り広げる、ちょっと
妖艶で恐ろしい怪談。

『かっくん』
わはははは!!わはは、わはわは!!これ最高!!!ひぃ~^^;;;
比較的短いお話なのですが、怖くておかしくてわけのわからない、ちょっとお下品なホラー。
勢いがあって、意味不明。これ描くの楽しかっただろうな^^

『乳房男』
ぎょえ~~~~~~!!!!!
ぐえ~~~~~!!!
ある変態カップルのお話なのですが、ぎえ~~。。ぐむむむ。。。
食事に○○や××を混ぜておいしそうに食べておりますよ~~~~!!
あんなところにあんなものを入れてそれをまた出して飲んでおりますよ~~~~!!
あああああ^^;;;;



と、いうわけで。ゆきあやげっそりしました。。。
いや~、やめられません小川さん。あと4冊くらい未読があるのかな。読みますえ~!