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羽衣伝説の記憶  (ねこ3.6匹)

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島田荘司著。光文社文庫


警視庁捜査一課の吉敷竹史刑事は、ふと足を止めた銀座の画廊で、作者名のない”羽衣伝説”と
題された彫金を目にした。これは、別れた妻・通子の作品では!?彼女への思いをかきたてられた
吉敷は、ホステス殺しの真犯人を追いつつ訪れた伝説伝承の地で、意外にも通子の出生の秘密に
行きあたる!好評吉敷シリーズ異色の文庫書下しラブ・ストーリー。(裏表紙引用)



これは吉敷シリーズの番外編でしょうか。事件の要素は、吉敷が通子に再会するための添え物で、
完全に内容は吉敷&通子の甘い甘いロマンたっぷりのラブストーリーです。
いやあ、こりゃおいら当てられたわ^^;;;
吉敷さんの通子さんへの強い想いが意外でもあったし。元々通子さんは”不思議ちゃん”タイプで、
完全に女の敵を作るキャラクターで好きではなかったのですが。
通子さんとの出会いのエピソードや結婚当初の彼女の性格が延々と綴られており、もう本当に
勘弁してくれと言いたいぐらいアイタタな性格でした。それに魅力を感じまくっている若い吉敷さん
にも幻滅、というぐらいの^^;

しかし、30も半ばを過ぎて大人になった二人の関係はなんだか良かった。
通子さんの性格も、過去の辛い経験や芸術家肌ゆえの天然ぶりだったのかと思うとなんとなく
魅力を感じるようになっていたし。まあ、奇行が治っていたせいもあるけれど。
吉敷さんの事も”夕鶴伝説”の時以来ちょっと誤解していたところもあるな、と。
そうか、若かったんだねー。