すべてが猫になる

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百鬼夜行――陰  (ねこ4.3匹)

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京極夏彦著。講談社文庫。


「妖怪」はいずこより来るのか……。人の心は闇にあらねども、揺るぎないはずの世界が乱れたとき、
その裂け目から恠しきものが湧き出し、取り憑く。他人の視線を畏れる者、煙に常軌を逸した執着を
もつ火消し、「海」を忌む小説家……。日常に潜む恐怖を描く十の短編から成る「京極堂サイド
ストーリーズ」。(裏表紙引用)



きぃ。「恠」この漢字を出すのに「ざい」「さい」で変換しまくって結局「りっしんべん、9画」
で検索して。。5分以上かかったぞ^^;『かい』かよ!!^^;;よくよく考えれば「あやしい」と
読ませるのだから(ふりがなふってた)そりゃそうなのか。。とほ。

えー、あらすじを読後に初めて読む習性のあるわたくしゆきあやですが。「京極堂サイドストーリー」
の文字を見て目が点になりました。。
単なる怪奇譚だと思ってほくほく読んでいたのですが、これ、それぞれが『姑獲鳥の夏』の誰それ、
魍魎の匣』のなにがし、という趣旨のものだったのですね。。全然わからなかった。。。
木下刑事が出て来ているというのに彼が誰だとかわかってなかった。。。さすがに最後の関口君は
わかったけど。実生活で「あ、京極夏彦はいいよ~」とか「京極夏彦好きなんですよ~」とか
ほざいていた自分がとんでもない大ボラふきであった事が判明しました。。。。

わりと普通の怪奇譚ばかりで、読みやすくて楽しめました。特別抜きん出て凄い作品はなかった
かもしれませんが、好みだったので2日くらいで読了^^v
中でも、目玉に見られている恐怖を扱った『目目連』や、笑い方を知らない女教師『倩兮女』が
良かったです。(倩、兮の字を出すのにどれだけ苦労しただろう。。。)
全てが妖怪に囚われてしまった人達の顛末を描いたもので、京極さんの妖怪に対する造詣が
伺えますねえ。イラストだけで見れば『毛倡妓』が怖いかも^^後ろも前もロングヘア♪