すべてが猫になる

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レヴォリューションNo.3  (ねこ3.9匹)

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金城一紀著。講談社


君たち、世界を変えてみたくないか?
落ちこぼれ高校に通う「僕」たちは、三年生を迎えた今年、とある作戦に頭を悩ませていた。厳重な
監視のうえ強面のヤツらまでもががっちりガードするお嬢様女子高の文化祭への突入が、その課題だ。
(表題作あらすじより)ゾンビーズ・シリーズ第1弾。



「GO」「フライ、ダディ、フライ」と似通った感想になってしまうので、今回はちょっと記事を
短くまとめました。
第2弾である「フライ~」を先に読んでしまったので不覚だと思ってこの第1弾を読みましたが、
このシリーズは時系列が逆行しています。それは表題作のある展開を読んで気付いたのですが。
順番で言うと、「フライ~」か本書収録の2、3編目、その後に1編目である表題作を読めば
混乱しないで済むと思うのですが。(こちらの勘違いがあればご指摘下さい)


作品の出来で言えば、最高に楽しめる甘酸っぱい青春物語です。お笑い半分、真剣勝負半分。
自分がどうもハマリ込む、まで行かないのは、軽く愉快な小説でありながら、在日などの
差別問題にも深く取り組んでいる所です。視野で言えば社会全体に対してのそれなのですが、
やはり作家の自伝的な要素が際立っている気がしてならない。それの何が悪いという問題でなく、
自分自身がその問題を作品ごと抱え込めるほど何も理解していない”気まずさ”の現れなのだと
思います。

しかし、この作家さんは何を書いても面白く(笑うの意味じゃないよ)しか書けないんだろうな、
という才能をびしばしと感じたのは大きい。漫画も面白そう^^