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名探偵Z -不可能推理-  (ねこ3.8匹)

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芦辺拓著。ハルキ・ノベルス。


閑静な地方都市、Q市。だが大それた犯罪が、市民を街を司法当局を未曾有の大混乱に陥れていた。
そこに燦然と現れた乙名探偵、人呼んで<名探偵Z>が人の迷惑省みず、卓越した推理で快刀乱麻と
事件を解決する!そんな大活躍をあざ笑うかのように、敢然と闇夜を闊歩し挑戦状を叩きつける
名探偵Z最大の強敵<少女怪盗ψ>!両者の対決は果たして如何ばかりのものであろうか!!
不幸にも彼等の巻き起こす大事件担当にされてしまったQ市きっての名捜査官、仙波警部らの
心労は如何に!?(裏表紙引用)




もう一生芦辺氏を読む事はないと思っていたが、いちプロさんにお薦めいただいた「バカミス」が
なんと芦辺氏だった。素直に「面白そう」と思ったので素直に取り寄せてみた。
「こちら○日までにお返しくださ~い」と愛想良く司書の方に渡された本達。なんと一番上が
これだった。
「はーい……(うわー!ひえー!)」
さすが司書の方はプロだけあって動揺していなかったが(当たり前だ)、わたくしとしては
覚悟をしていなかった状況であり、赤面を禁じ得なかった。


そんなこんなで楽しみだったので早速コレから読む。

うっわ~~~、バッカ~~~~~~(^^;)
空前絶後のぶっとび探偵、これじゃ萌えにくい怪盗少女、引き立て役が空しい敏腕刑事。。。
いや、これだけならただのパロディであって全然面白くない。設定よりも中身だ。
いやいや、これが意外とトリックはまともで……というパターンでも自分はOKだったし
それを望んでもいたが、予想を見事に外してくれた。
トリックもバカだ。
ていうか、中には「これじゃSFじゃねーか!」という非科学的なものまで結構ある。
さすが小松左京作品を軒並み擁するハルキさんだ。
まずい。これは完全にわたくしの好みではないか。
通常のミステリ作品ならば通用しないトリックが目白押し。芦辺さんは毎日のように
こういうくだらなくとんでもないトリックを思いついては「執筆ノート」に
「いつか使おう」なんて書き留めていらっしゃるのだろうか。
通用しないと書いたが、トリックに筋は通っている。だから褒めているのであしからず。


欲を言えば、乙名探偵はもう少し男前の方がイメージと合う(イラスト)。
怪盗ψは出さなくても良かったかもしれない。彼女が登場してから、若干バカバカしさの
勢いがトーンダウンしたように思う。これは彼女の育った環境が明るくないためか。



おおおお~。。芦辺さん褒めちゃったよ。

いちプロさん、どうもありがとうございました(^^)v