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探偵はひとりぼっち  (ねこ3.6匹)

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東直己著。ハヤカワ文庫。


みんなに愛されていたオカマのマサコちゃんが、めった打ちにされて殺された。若いころに彼と
愛人同士だったという北海道選出の大物代議士が、スキャンダルを恐れて消したのではないかと
いう噂が流れはじめる。マサコちゃんの友人だった<俺>は、周囲が口を閉ざすなか調査に
乗りだした。やがて、身近に怪しげな男たちが現れ、奇怪な事件が……。(裏表紙引用)



シリーズ長編第4弾。
あれ?まだ4?短編集を勘定しても、なんかもっともっと長くこのシリーズとお付き合いしている
ような気がするが。。おお、そうか。<俺>はもう三十路を過ぎているのかあ。

と、感慨にふけっている場合ではなかった。今回のお話、重いというよりかなりイヤだ。
最初の30ページ程を楽しく読んでいた自分がふとあらすじに目を向けた時のあの気持ち。
マ、マサコちゃん……(T_T)。。おいらあなたの事好きだったんだよ。。ショックすぎる。。
犯人捜しなんてどうでもいいよ。帰って来てくれよ。。
この結末だって、<俺>が一生懸命やってた事はなんだったんだって空しくなる。


それはさておき、このシリーズに時間経過がある事が魅力だというのは周知のこと。
そうとは知らず『ライト・グッドバイ』から読んでしまった自分の罪は重い。
高田(一番好き^^)、種谷、松尾、大畑、桐原。<俺>のお友達の役割と存在、
この作品あたりからおいらの中で根付いて来たなりよ。もう「え、誰?」なんて言いません。
後は、前作からの流れで<俺>にまさか。。。うーん、春子さんねえ。。。
ちょっとショックでした。いや、<俺>に恋心を抱いているわけでも何でもないのですが、
フィクションでも結局「遊び人」って年をとるとこうなるのかあ、って。。

これはここだけの話なんですが、わたくしの<元彼>に元フリーターのバンドマンが
いるんですね。一つ年上で。30過ぎまでフリーターで「自分は一生結婚しない」と
言っていた彼も、今では真面目な会社に就職して毎日仕事にバンドに汗を流しておられます。
元々、名前を聞けば知らない人はいないくらいの大手の会社員だったんですが、
わたくしの今の歳での感覚から言えば「勿体ない野郎」なわけです。
で。おいらとしては、こやつもなんだかんだ言って私じゃない誰かと結婚するんだろうな、と
最近思っていたわけです。
それを「成長」だとは思えません。ただ、「時間は流れているんだなあ」と
思うだけです。


なんかうだうだ書いてますが、自分がこのシリーズに対して感じるのはそれと同じ感覚。
若者の成長ものは大好きだけどね。
つまり何をうだうだうだうだ書く心境になっているかと言うと、この本の終わり方ですよ!!!
どうなるんだ!?<俺>!! (←夢中)