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十月は二人三脚の消去法推理  (ねこ3.6匹)

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霧舎巧著。講談社ノベルス


『霧舎学園ミステリ白書』シリーズ第7弾。
十月。霧舎学園の秋の行事第1弾は体育祭。琴葉と棚彦は体育祭実行委員に据えられる。準備の
真っ最中の本番1週間前、校内で不審火が発生。パソコン教室のメールに残された「十月十日の
殺人」との関連は?昨夜子の言動が事件解決の糸口になるのか。(裏表紙引用)



はいはい、いつもこっぱずかしい付録特典が付いてお得なこのシリーズ。今回は、琴葉ちゃん
特製名刺が封入されております。。。ははは。。何に使えと?捨てないけどさ。
このシリーズ、めちゃくちゃ面白くはないんだけど、おいらはやっぱ好きな作家さんの本読んでる時が
一番精神的に安定するなあ。。


で、今回久々の新刊だったので、準レギュラーキャラの存在を忘れかかっておりました。。
前の事件の話が結構出て来るのですが、それ何の事だったっけとか、果てはこの子誰だっけとか、
それが枷になって内容を理解するのに戸惑いましたな。。かと言って今までのシリーズ
読み返さなきゃ!とか思う程の愛着もないのだけど。
でも霧舎さんのいいところは、ご自分の作品でも他作のネタバレを絶対しないような
配慮があるところ。

事件は今回ちょっと地味でしたかな。不審火というのがシリーズ的にはおとなしめだし、
真相自体は相変わらず重たいわりに、犯人の人物像を掘り下げて来ないし
探偵の泣かせる独断場も今回はなかった。琴葉ちゃんが傷ついているのは伝わるのだけどね。
というか、自分だけかなあ。おいらこの人大好きだからいつもより丹念にじっくり読むんだけど、
真相がわかりにくかったのよね^^;:結局誰がどこでいつ何をしてそうなったのかが
ややこしい。。なんか初期の霧舎さんの短編みたい。。

ま、普通か普通よりちょっといい、くらいかな。

ところで、あとがきで霧舎さんが今回のタイトル結構迷ったというようなご発言を。。
「十月は二人三脚で暴く一人二役トリック」にしようかと最初は思ってらしたとか。
ちょっと……リズム感が……^^;;「これじゃ興味を持ってもらいにくくて売れない」と
懸念されたとの事ですが、心配しなくてもファンなら買うし、ファンしか買わないから^^;;