すべてが猫になる

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四月は霧の00(ラブラブ)密室 (ねこ4.5匹)

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講談社ノベルス

「霧舎学園ミステリ白書」シリーズ第1弾。どうやら12回で完結するらしい。
学園ラブコメディーと本格ミステリーの融合みたいです。「ライバルは『金田一少年の事件簿』」(笑)

美少女転校生の琴葉が主人公。

学園にまつわる伝説が毎月出てきて楽しいです。今回は「霧立つ春の日、鐘の音と共に、泉の前で口づけを交わした男女は永遠の幸せを約束される」という言い伝え。
それを偶然か運命か小日向棚彦と実行してしまった琴葉。たがいに喧嘩しながらも惹かれあっていく二人。
その他のメインキャラは、琴葉の母(警察署長!)と「今日から探偵になることを定められた男だ」が口ぐせの頭木保、脇野先生、のの子先輩、冬美先輩、蘭堂ひろみ…といったところ。

表紙はちょっとイッちゃってますが、実はそんなにぶっとんだ人物はいません(ほんとかよ)。
いたって普通の高校生たちです。
(かといって人物に魅力がないわけではなく、ちゃんと人間の描き分けできてます)


本格推理小説としては、かなりイイ線いってます。(霧舎さんのは全部そうですが)
衝撃的な展開やおいおいおいという結末は用意されてませんが、
初心に戻ってアガサ・クリスティーエラリー・クイーンを純粋に楽しんでいた頃の自分に戻ってみるのもいいんじゃないかしら。
(ここで言いたいのは、本格ミステリのロジックなどがそれに沿っている、ということであり
必ずしも肝心のトリックやアリバイ崩しが先者のそれに倣っている、というわけではありませぬ)