すべてが猫になる

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無法地帯 -幻の?を捜せ!- (ねこ3.6匹)

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大倉崇裕著。双葉文庫

空前の「食玩」ブームにより、400万円のプレミアがついたレアグッズをめぐる争奪戦が勃発。
怪獣大好きのヤクザ、食玩コレクターの私立探偵、モラルゼロのオタク青年ーー。幻の?を
奪い合う、仁義なき戦い。勝者は誰だ!オタク道38年の著者がおくる、情熱のオタクミステリー!
(裏表紙引用)


↑いつもはここまで完全に引用しないんですけど、面白かったのでお披露目^^。
まさか文庫が出るような作家さんだったとはねえ(堂々と失礼発言)。。
前回読んだ『白戸修の事件簿』で文章が自分に合うのはわかっていたのと
姉貴のお薦め本だったので迷いなく購入。誤算は、短編集だと思っていた事。
世の中にはカンフーミステリなるものまで出現しているらしいので、
それを上回るインパクトのオタクミステリだって積極的に挑戦しなくては~。


意外だったのは、結構真面目な小説だったという事。あらすじからしてさぞ笑える
アイタタなユーモア小説だと思いきや、いい意味で笑えない作品。もちろんコミカルで
読みやすく人情に溢れた内容ではあるけれど。
怪獣や食玩にはまったく興味がない自分なのでドン引きしてやろうと思ったのだけど
5歩くらい譲ってそれほど自分に理解の及ばない、完全な異世界の感覚ではないな、
少なくともこのロマンは。
特にこういうのはおもちゃという以前に鑑賞に堪える代物だから。
ダブってでも全種類集める、プレミアがついて倍額になってても買う、
簡単に手に入ると面白くない。一文無しになっても絶対コレクションは売らない。
過程あってこその真性のものだというこの感覚って対象物を替えれば
たとえば人間関係もそうだし、、と思ったと同時に
そりゃふざけてばっかりもいられないはずだわねえ、としみじみ姿勢を正してみたり。