すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

嘘をもうひとつだけ (ねこ4匹)

イメージ 1

東野圭吾著。講談社文庫。

心の恋人加賀刑事シリーズ、5編収録の初短編集~~~~(T^T)


どれも良かったのだけれど、やっぱり一発目がいい短編集は多い。
加賀刑事そのものが凄い慧眼の持ち主であると同時に人間の内面を深くまで読む事に
長けているものだから痺れる。
頭がいいというのは時々哀しいな。いつもこういう場面に立ち会っているのならば
加賀刑事が独身というのも本当は哀しまないといけないのかなあ。と。
過剰に優しくない、どちらかと言うとそっけない。
思わせぶりなのに引っかかって来ない。ああ、素敵。。

どの作品の加害者も元々誤りを犯してしまった事から取り返しのつかない事態を招き、
哀しい結末を迎える。自分がそれでも読めるのは加賀刑事の魅力が救いになっているから。
こうやってしみじみ読むとなんて脆いスーパー刑事なんだろうって思うのよ。。
後からやって来るからね。
加賀刑事の全身を包むあの哀愁はそれが嫌と言う程身にしみている現れなのかな。