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白菊 (ねこ3.8匹)

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藤岡真著。創元推理文庫

画商兼インチキ超能力探偵の相良蒼司の元に持ち込まれたのは、『白菊』という謎めいた絵の
オリジナルの捜索だった。世紀の大発見に繋がる可能性を秘めた絵の来歴を探るうち、相良は
何者かに命を狙われ、依頼人は失踪してしまう。記憶喪失の女、怪しい骨董マニア、超能力
バラエティまで絡み、事態は誰も予測し得ない方向へ!(裏表紙引用)


ぜっっっったいこの藤岡真という作家、ヘンな作家だ。
雰囲気づくりにもなってない、謎のヒントにもならない(自分は。。)意味なしプロローグ、
人物設定、背景の奇妙すぎるアンバランスさ。
スリルのない場面転換、隠す気のない読者への仕掛けと「予測出来る人の方がヘンだろう!」と
言わんばかりの「驚愕」のラスト。
堂々と目の前に置かれるものが奇抜だから注意をそらされてしまって、
負けじと作家の袖口とか左手の動きとかに目を光らせるものだから
あまりにも単純な事に思い至らないんだわ。。
こういうのって誰がやっても面白い作品、にはならない気がする。
そのコーディネートは貴方だから似合うのよね。

ゲッベルスの贈り物』を読んだ時はなんでこんな凄い作家が埋もれているのか?と
疑問が頭を駆け巡ったものだけれど、2作読んでなんとなくそりゃそうかも、みたいな
納得感。多分、この才能はミステリー専門の読書家さんにしかウケない。
………かもしれない。 ←ちょっとびびり^^;