すべてが猫になる

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きみの血を/Some of Your Blood (ねこ3.8匹)

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シオドア・スタージョン著。ハヤカワ文庫。

ある米軍駐屯地で、精神科医でもある少佐が一通の手紙の差出人である兵士を訊問した。文面が
あまりに異常だと思われたからだ。兵士のジョージは、少佐から手紙の内容を問いただされると
態度を急変させ、コップを握り潰して彼に飛びかかろうとした。ところが、傷ついた自分の手から
流れる血を見るや、いきなりそれを吸い始めたのだ。ジョージの異常な行動を生んだ秘密とは?
(裏表紙引用)


なんかヘンですねえ、これ。。
バンパイヤものだと思っていたので(いや、その通りなんですが)そのつもりで読み始めたんですが
普通の「実は彼は吸血鬼で、夜な夜な女性をがぶり」という展開ではありません。
いや、その通りなんですけど^^;、これは終始軍医と陸軍大佐との往復書簡、ジョージへの
心理テスト、手記で占められた小説なんです。物語性に欠けるなあ、と思いきや
でもなんだか、謎の隠し方が不気味で惹き付けられるんです。

独特のスタージョンの魅力がてんこもり、という感じではあるのですが、
凄過ぎて「自分が読むにはまだ早かったか?」と感じた気持ちの方が強くて
SFにも色々あるみたいだから気をつけよう的に読み終わり。
ちょっとレベルが高い。怖いです。