すべてが猫になる

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雨の午後の降霊会/Seance on a Wet Afternoon (ねこ3.7匹)

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マーク・マクシェーン著。創元推理文庫


霊媒マイラが立てた計画は奇妙なものだった。子どもを誘拐し、自らの霊視で発見に導けば、評判が
評判を呼び、彼女は一流と認められるはずだ。そして、夫ビルと共謀し実業家クレイトンの娘を誘拐。
夫には身代金を要求させ、自分は娘を霊視したとクレイトンに伝える。すべては計画どおりに
進んでいたが……。待ち受ける最終7ページの衝撃。ミステリ史上唯一無二、驚愕のサスペンス。
(裏表紙引用)


復刊したのですね。二度映画化されたのですね。隠された名作なのですね。

う~ん、なんも知らなかった………………(ーー;)。
映画はオカルト要素が強くなっていたり、マイラの精神の恐ろしさが際立っていたりと、
凄く良いらしいですね。そして相当怖いとか。原作を越えたとか。
なんだ、じゃあ映画観た方が良かったんじゃん、とも思ったけれど
これはこれでわたくしかなり大好きでした。

淡々としているようで、実際かなり悪どい犯罪を扱っていますしマイラの不感症なのかと
疑いたくなる(実際そうに違いない)冷酷ぶりとビルの従順さこそ悪、と思わせるような愚鈍さは
冷静に考えるとかなり重たく陰惨な内容。
だけどまるでこっちが不感症なのかと慌てたくなるほど描き方にクセがある。
彼らのやってる事はどう考えても一つ一つが捕まらない方がおかしいような酷さだし。
今の日本なら似顔絵かナンバープレートで一撃だわい。
だから、それもひっくるめて
「こういう設定にしました。そこを受け入れて下さい。」モードで全て創作された
ある意味バカバカしい、上質じゃないけど文学やっちゃったよー、みたいな作品なんでしょうか。

「ラスト7ページの衝撃!」については何も語るまい^^;。
おいらはそれよりも153ページ目に起きた展開の方が心臓止まるほどびっくりした。
笑ってごめんなさい。