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わざと忌み家を建てて棲む  (ねこ3.7匹)

三津田信三著。中公文庫。

「幽霊屋敷って一軒だけで充分に怖いですよね。それが複数ある場合は、どうなんでしょう」 知り合いの編集者・三間坂が作家・三津田の元に持ち込んだのは、曰くある物件を継ぎ接ぎした最凶の忌み家、そしてそこに棲んだ者達の記録。誰が、何の目的でこの「烏合邸」を作ったのか? 怖すぎると話題になった三津田信三の「幽霊屋敷」怪談、再び!(裏表紙引用)
 
「どこの家にも怖いものはいる」に続く幽霊屋敷シリーズ第2弾。
毎度ながら表紙とタイトルが怖い。今回は、いわくのある(事故物件)屋敷を4軒まとめて別所に建てちゃって、そこに誰かを棲まわして記録を書いてもらいましょう!という狂った企画。怖いって。。
 
そんなところに好き好んで棲む人がいるんかい?と思ったが、いるところにはいるもんで。母と子が棲む「黒い部屋」、作家志望の男の「白い屋敷」、女子大生の体当たり日記「赤い医院」、超心理学者の「青い邸宅」。どれもこれも、明確にナニカが出てくるわけじゃないんだけど。。。ガタピシとか電話とかとにかく色々前フリが全部前フリでそれがもう出てくるより怖いよう。。手記がだんだんおかしくなっていくのも怖いよう。。
 
いつも通り幕間に三津田さんやお仲間たちの会合が入るのでそこでいちいち現実に返るのだが、これまたいつも通り「これを読んでいるアナタの後ろにも!」的手法でやってくるので本当にもういつも通り怖い。夜は読まない方がいいけど、夜読むのがこういう実話(ふう)怪談の醍醐味なんだよなあ。。
 
で、出たの出ないの。