すべてが猫になる

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いちばん悲しい  (ねこ3.8匹)

まさきとしか著。光文社文庫

ある大雨の夜、冴えない中年男・戸沼暁男が刺殺された。暁男の不倫相手の妄想女・真由奈や残された妻・杏子と子供たちなど交友関係や、家族を巡って真相に迫ろうとする女刑事・薫子だが、一向に進展を見ない。しかし、事件捜査がついに、暴いてはならない秘密をつきとめた。女たちの心の奥底にうずまく毒感情を描ききった、イヤミスを超える傑作、待望の文庫化!(裏表紙引用)
 
読破まであと1冊、まさきとしかさん。ハマっているというか、めちゃくちゃ読みやすいので読んでしまう。
 
今作はイヤミスの最たるものという感じで、とにかくイヤな人しか出てこない。愛する不倫相手が殺され、しかも偽名だったことが判明した真由奈の気持ち悪っぷりもさることながら、今の時代にいくら刑事とはいえこんなやつおらんやろレベルの男女差別パワハラ野郎・梶原がえぐい。刑事サイドの主体となっている薫子も別に好感度高いわけじゃないしな。。なんか無気力。不倫相手の妻や娘も被害者だから仕方ないとはいえ相当歪んでるし。まあイヤミスに共感とか求めても仕方ないので面白ければいいのだけど。
 
ミステリーとしては普通の読み方だが、暁男を殺したのは誰?に焦点を絞ってもなかなか面白かったのではないかな。梶原がちょっといいところ見せたり真由奈が放置されていたり物語としては色々引っかかるところはあるが。