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任務の終わり/End of Watch  (ねこ4匹)

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スティーヴン・キング著。白石朗訳。文春文庫。

その病室には殺人鬼が眠る。彼の名はブレイディ。大量殺人の実行を阻止され、その際に脳に負ったケガで昏睡状態にあった。そして今、ブレイディの凶行の生存者が自殺を遂げる事件が頻発する。単なる自殺ではないと直感した退職刑事ホッジズは真相を追いはじめる。しかし病室では、新たな殺人計画がひそかに進められていた。(上巻裏表紙引用)
 
三部作、完結編。
第一作「ミスター・メルセデス」の犯行によって四肢麻痺となった被害者が母親に殺され、その後その母親も自殺する事件が起きた。残されたZの文字を見てこれは自殺ではないと直感したホッジズは、メルセデスの被害者が次々自殺している事件をあぶり出した。警察を頼れないホッジズとホリーのコンビは、独自に調査を始めるが…。
 
前作で、再起不能と思われたブレイディがなにやら不穏な雰囲気出してるな~、と思いきややはり意識が戻っていて、思わぬ能力を手に入れちゃった。キング作品でこう来るとは思っていなかったのでちょっと興奮。ああいう悪魔のような方法で、医師や看護師もろもろをアレするとはね、ちょっと予想つかなかった。彼らを使っての遠隔犯罪はスリル満点で、イマドキの電子機器も登場するものだからワクワクして読んでしまった。
 
出てくる被害者たちは割と悲惨なことになるのだけど、重要なキャラに限っては助かるあたりホっとするけれど予定調和かな?と思ったり。ホッジズにも辛い運命が待っているので、ラストは心温まる感動シーンだけど悲しかったり。(ホッジズ、さすがに「ツイート」や「スレッド」レベルの言葉も知りませんではこの時代の犯罪の捜査はやっていけないと思う。。まあ、退職してるけど。)
 
キングの年齢を考えればアタリの作品なのだと思うし、一気に三部作読んじゃおうと思えるぐらいの面白さは充分にあった。サスペンスと考えたらやっぱり一作目の感想で書いた通り定石通りなのが物足りない気がするけども。。