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熱帯  (ねこ3匹)

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森見登美彦著。文春文庫。

どうしても「読み終えられない本」がある――。その名も『熱帯』。 この本を探し求める作家の森見登美彦はある日、〈沈黙読書会〉なる催しでふしぎな女性に出会う。彼女は言った「あなたは、何もご存じない」と。 『熱帯』の秘密を解き明かすべく組織された〈学団〉と、彼らがたどり着いた〈暴夜書房〉。 東京・有楽町からはじまった物語は、いつしか京都、さらには予想もしなかった地平へと突き進む。(紹介文引用)
 
「高校生直木賞」で当時話題になったなあ、と思い出しつつ、あまり評判がいいとは言えなかったのではなかったかな、とも考えつつモリミーの文庫新刊ということで一応ワクワクと読み始めた。
 
出だしはかなり面白かった。モリミー本人が出てきたり、変わり者の古書店の人びとが出て来たり。「沈黙読書会」なんてネーミングだけでもワクワクするしね。「熱帯」というタイトルの、佐山尚一という無名の作家が描いた1冊の本。しかし世の中には出回っておらず、誰も最後まで読んだことがないという。その本の謎を解くべく集まった有志。。。このへんまでは楽しかったのだが、入れ子構造というのか、途中から主人公が変わり謎の島にたどり着いて魔術だの海賊だのと不思議な体験をする、そういう描写が延々と、本当に延々と続くのだ。これがサッパリ意味が分からなくて……。集中しようとしてもどうしても入り込めず(文章自体は読みやすいのだが)、挫折という言葉が何度も頭をよぎった。言っても自分は「モリミー」と愛称で呼ぶほど作家のファンではあるし、300ページも読んだ時間がもったいないし、とがんばってみたのだが…。いつまでも作風や展開が変わらない。。やはり挫折か?と思いながらもいやあと200ページだし、とやっているうちになんとかゴールイン。苦痛に次ぐ苦痛であった。
 
うーん、最後まで読んだ挙句得るものが何も。。。。すいません。ファンタジーは苦手だ。。ある青年が体験した不思議な物語を手記にして、それが一定の人びとの間に出回って謎がループする、って感じで合ってるかなあ。しかし全く頭に入らなかったので評価もなにもって感じです。。モリミー作品でこんなの初めてだわ。