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ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~  (ねこ3.8匹)

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三上延著。メディアワークス文庫

ある夫婦が営む古書店がある。鎌倉の片隅にひっそりと佇む「ビブリア古書堂」。その店主は古本屋のイメージに合わない、きれいな女性だ。そしてその傍らには、女店主にそっくりな少女の姿があった―。女店主は少女へ、静かに語り聞かせる。一冊の古書から紐解かれる不思議な客人たちの話を。古い本に詰まっている、絆と秘密の物語を。人から人へと受け継がれる本の記憶。その扉が今再び開かれる。(裏表紙引用)
 
ビブリア古書堂シリーズ、シーズン2。
新しいシリーズ出てるのはわかったけど、タイトル見てもどれがそれなのかわからなかった。よ~く見たら栞子さんのとこが扉子になってた。。五浦くんと栞子さんがめでたく結婚して、7歳の娘(扉子)と3人暮らしという「あれから」の物語。と言っても7歳の扉子に推理ができるわけもなく、普通に栞子さんが本にまつわる事件を解決するところは同じ。今までと違っているのは、語り手が五浦さんじゃなくなっていること。そして事件は栞子が扉子に今までにあった事件を語り聞かせるという体裁になっていること。とは言っても実際はもっと柔らかく子ども向けに聞かせているんだろうけど。
 
「第一話 北原白秋 与田準一編『からたちの花 北原白秋童謡集』(新潮文庫)」
からたちの花の歌詞は知ってるなあと思いながら読んだ。歌は出てこないけど。絶縁していた叔父に届ける北原白秋の童謡集にはどんな意味が?銀行強盗はどうかと思うけど、この叔父さん本当は優しくて不器用な人だったんだろうな。母親が叔父を嫌うのは仕方ない気もする。これ言うと身も蓋もないけど、他人だもん。
 
「第二話 『俺と母さんの思い出の本』」
ビブリア古書堂がゲーム本とは珍しい。全然詳しくないと言いながらかなり饒舌に語る栞子さんすごい。。この死んだ息子、かなり有名なイラストレーターよね。母親からみたら誇らしく思えないのかな。。ある人物が栞子さんに向けた罵詈雑言がかなり不愉快だわ。最後分かり合えない同士が分かり合えて良かったけど、息子が生きている間にそうあって欲しかったよね。でもそんなもんか。
 
「第三話 佐々木丸美『雪の断章』(講談社)」
珍しく読んだことのある小説が登場。と言っても全然内容覚えていないけど。。あまりいい印象はなかった記憶があるけど、この作品であらすじ書かれるとなんか面白そうに感じるから不思議。。せどり屋の志田って第一印象悪かったけど、だんだん好きになってきた。若者の不器用な恋愛模様がいいね。
 
「第四話 内田百間『王様の背中』(樂浪書院)」
↑「けん」の字が変換できないのですいません。多分この字でもOKな気がするが。
道具店の店主が、稀覯本を手に入れるために他人になりすます話。五浦さんが大活躍するけど、扉子もグッジョブだった。ずるい人や感じの悪い人は自分が知らないだけでどこかでいつも損をしているんだよねえ。。この人はそれに気づけて良かった。それにしても「王様の背中」面白そうだなあ。読んでいて痒くなりそうだけど。
 
以上。
一話目、二話目が特に好きだけどどれも水準並で良かったかな。「扉子」って最初すごい名前だなと思ったけどこの小説で見ると素敵な名前に見えてくる。五浦さんの見た栞子さん視点が読めなくなったのは残念だけど、最後にシリーズ全体の秘密が明らかに。そうだったのかー。感無量。続編早く読みたいけど予約が多いのでまあそのうち。
 
しかし誤植多かったな。。。