シカゴ・ブルース／The Fabulous Clipjoint （ねこ３．７匹）

フレドリック・ブラウン著。創元推理文庫。

シカゴの路地裏で父を殺された18歳のエドは、おじのアンブローズとともに犯人を追うと決めた。移動遊園地で働く変わり者のおじは刑事とも対等に渡り合い、雲をつかむような事件の手がかりを少しずつ集めていく。エドは父の知られざる過去に触れるが―。少年から大人へと成長する過程を描いた巨匠の名作を、清々しい新訳で贈る。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作。（裏表紙引用）

 

１９４７年の作品の新訳だそうな。エド・ハンターシリーズの１作目らしい。フレドリック・ブラウンはＳＦを数作読んだことがあるだけで、まさかミステリを描いていたとは知らなかった。１８歳のエドがトロンボーンを手に入れるまでの物語、だそうだ。なんのこっちゃ分からんが、内容は青春ミステリ+成長物語という感じで悪くない。ただ、エドの父親が殺されその謎を伯父と共に解くというのはなかなか若者にはハードモード。母親も妹も血は繋がっていないし、父親がいなくなったらもう無関係の人生、みたいな状況結構驚きだったり。。そんなあっさりしたもん？

 

伯父はエドに人生を教えてくれる感じでカッコイイし、エドも惚れっぽいが結構しっかりした青年。諦観しているような性格で、大人になったら結構ハードボイルドなキャラクターになりそう。犯人も意外性があるし父親の裏の人生も物語性があってそこそこ楽しめたかなー。児童書とまでは言わないが、一人称が「ぼく」で割と読みやすいのもよし。めちゃくちゃノレるわけではないけど大きな欠点もなく、続編が新訳で出るならちょっと気になる。