すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

ペンギンを愛した容疑者  (ねこ3.8匹)

f:id:yukiaya1031jp:20200321225246j:plain

大倉崇裕著。講談社文庫。

「人間の視点で物を考えないでください」動物オタクの天然系巡査・薄圭子のアニマル推理が大爆発!ペンギン、ヤギ、サル、ヨウム…現場に残されたペットの生態から、常識はずれの発想で真犯人をあぶり出す。コンビを組む元捜査一課の鬼刑事・須藤友三も、薄を認め始めるが。大好評シリーズ、待望の第3弾。(裏表紙引用)
 
警視庁いきもの係シリーズ第3弾~。
今回は4篇収録の短篇集。
 
「ペンギンを愛した容疑者」
食品グループ会長が自宅のペンギン飼育室の池で溺死した。薄と須藤は事故ではない可能性に気づくが…。愛情も責任もないのに飼うなよなあ。ペンギンに詳しくないと絶対分からない被害者の意図。薄ちゃんがいて良かったな。最後、ある人物にもいい結果になったし、被害者もそれほど情の薄い人間ではなかったということで。
 
「ヤギを愛した容疑者」
小学校の教頭が殺害された事件。現場で意識不明となっていた男が容疑者となったが、2人の間にあったトラブルとは…。出だしのスカンク騒動が笑えて本編の内容が入ってこない。。こういう犯人が一番憎いよね。しかしヤギって紙食べちゃいけないのか。。
 
「サルを愛した容疑者」
女性の他殺事件で薄ちゃんの知り合いであるサルを飼っている男が容疑者となった。弁護士を無意識にやり込める薄ちゃんにスカっとしたなあ。しかしどいつもこいつも自分の利益のために色々複雑なこと考えるものだな。薄ちゃんが南極へ行くのかとやきもきする須藤さんが面白い。
 
「最も賢い鳥」
自宅でヨウム(オウムではない)を飼っている男が殺された。元の飼い主と返すの返さないのと揉めていたらしいが…。譲っておいて後で返せとか勝手だな。モノじゃないんだぞ。
 
以上。まあ、深い話ではないのでサラっと。相変わらず薄ちゃんの動物知識は国宝レベルだし、須藤さんも刑事の勘が冴えてる。2人の信頼性が高まって行ってるのがいいね。薄ちゃんのボケに今回はあまりイラっとしなかった。この動物知識、資料とかで得られるものなんだろうか。作者が元々詳しくて興味がないとムリじゃないかな。と素人意見。どっちにしても大倉さんすごいな。
 
ところで、表紙イラスト。嫌いなテイストではないんだけど、この女性だと大人っぽくて警官コスプレしてる「お嬢ちゃん」にはとても見られないと思うんだけど。。。なんかイメージと違うな。