すべてが猫になる

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恋のゴンドラ  (ねこ3.5匹)

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東野圭吾著。実業之日本社文庫。

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃美とスノボ旅行へ。ところがゴンドラに同乗してきた女性グループの一人は、なんと同棲中の婚約者だった。ゴーグルとマスクで顔を隠し、果たして山頂までバレずに済むのか。やがて真冬のゲレンデを舞台に、幾人もの男女を巻き込み、衝撃の愛憎劇へと発展していく。文庫特別編「ニアミス」を収録。(裏表紙引用)
 
はぁぁ…。東野さんのこのゲレンデシリーズ(?)は危険だと分かってはいたのだが、想像以上にイケてなかった。。とにかくキャラクター造形がヒドい。東野さんが小手先で描いているかる~い作品なのは分かるが、それにしたってイマドキ「ゲレンデの恋」はないだろ~。。。読んでいる間中広瀬香美の歌がチラついてたまらなかったぞ。こんなおバカな人種ほんとに居るの?ってくらい軽薄な人間の集まり。特に男性。広太は同棲中の彼女がいるのに別の女性とスノボ旅行、見つかってヒドイ目に遭って反省したのかと思ったら結婚後もすぐ他の女性とデート。お前一回死んでこい。美雪もほんとにコイツでいいの?
 
そして水城もヒドい。彼女がいるのに色んな女に目移りして…。ほんと、一回浮気した人ってまたすると思うよ。秋菜もほんとにコイツでいいの?結婚したい衝動にかられて人生を棒に振ろうとしてることに自分だけ気づかない若者の典型というか。。しょうもない人の周りにはしょうもない人が集まるんだよ~。だから「皆こんなもん」だと思って治さないんだよね。
 
まあそれはさておき、この作品で唯一モテない日田がとにかく可哀想。。いい人だと思うけど、確かに男性的魅力はないもんねえ。。初対面の女の子相手にアメフトの話したり…一人で勝手に滑って行ったり…。真面目で純粋な彼だけは幸せになりますように。
あと月村夫婦の父親の話は良かったな。スノボに対する父親の偏見が取れただけでなく、月村の優しさには胸打たれるものがあった。イメージや少数のマナー違反のせいで知らないもの全体を否定するのは人間の習性のような気がする。
 
みんなアホだけど、友情にだけは熱いあたり根は悪い奴じゃないんだろうなっていうか。色々仕掛けがあるので各話驚きがあったし。正直しつこいし、ゴンドラで何度も偶然一緒になるとかご都合主義すぎるが…。さすが読ませる力はあるので、キャラクターにはイライラしたけど退屈はしなかったかな。