すべてが猫になる

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騙す骨/Skull Duggery  (ねこ3.8匹)

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アーロン・エルキンズ著。青木久惠訳。ハヤカワ文庫。

妻ジュリーの親族に招かれメキシコの田舎を訪れたギデオン夫婦。だが平和なはずのその村で、不審な死体が二体も見つかっていた。銃創があるのに弾の出口も弾自体も見当たらないミイラ化死体と、小さな村なのに身元が全く不明の少女の白骨死体だ。村の警察署長の依頼で鑑定を試みたギデオンは次々と思わぬ事実を明らかにするが、それを喜ばぬ何者かが彼の命を狙い…一片の骨から迷宮入り寸前の謎を解くスケルトン探偵。(裏表紙引用)
 
ケルトン探偵シリーズ邦訳第15弾。
 
よしよし、元の面白さが戻ったぞ!
今回のギデオン夫妻はジュリーの親戚関係の絡みでメキシコへ。観光牧場の管理をいとこの代わりにやることになったジュリーと、おヒマなギデオンさん。骨が2つも見つかって喜びが隠せないのが微笑ましい…。
 
今回は骨の鑑定がメインと言ってもいいぐらい鑑定しまくる。銃の射出口がないのはなぜ、とか少女の身元が分からないのはなぜ、とか足のこの部分の骨が太い職業はナニとか、全部ギデオンが鑑定し謎を解いてしまう。植木バサミやドライバーにびびる警察署長サンドバールがいい味出してるなあ。全然やる気ないし。懐かしのマルモレーホも登場。
 
いつも通り命を狙われるギデオンなんだけど、今回は見事に反撃!こういう場合って事件捜査を拒む人がだいたい犯人だよね…。しかし一族の秘密や犯罪、人間関係がどんどん明らかになっていってかなりミステリしてる。今さら暴かなくても、と思う事件も多かったりするけど、今回のこれは明るみになって結果良かったのでは。それにしてもメキシコは公訴時効から除外されてないって…?