鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?絆はとても近いところにもあるのかもしれない―。これは“古書と絆”の物語。(裏表紙引用)
ビブリア古書堂シリーズ第3弾。ちょっと前作から間があいちゃった。なので過去の事件などなど全然覚えていない。。
古書店同士の開催する市場に参加した栞子さんと五浦だが、出した覚えのない古書がビブリア古書堂の名前で出品されていたり、栞子の母親を恨むヒトリ書房の店主が落札した本から「たんぽぽ娘」が盗難に遭いそれを栞子のせいにされたりと大問題。本を盗んだことは許しがたいが、理由が切ない。ヒトリが言う「あの母娘を信頼するな」とは一体?まだ栞子さんのキャラが掴みきれていないので、信頼していいのかどうか揺らぐ。ヒロインが裏切ってたら面白いな。
第二話「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」
常連の奥さんから、タイトルを思い出せない児童書を探して欲しいと頼まれた五浦。その奥さんは年の差婚で、両親とは折り合いが悪く…。この母親キツいなとは思うけれど、愛情表現がヘタなのかな。銀行に押し入ったなんていう前科のある夫のところに嫁にやるのに抵抗あるのは仕方ないしな。。私も昔繰り返し読んで見つけられない児童書があるので気持ちはわかる。
依頼で鎌倉へ向かった栞子さんと五浦。亡くなった父の蔵書が兄か兄嫁に盗まれたというのだが…。「兄か兄嫁」って、もう共犯みたいなもんだよね。動機が一致しているし利益共有でしょ。と思ったら意外なところに真相が。でもやっぱこの夫婦は好きになれないな。そういう手段で愛する本を手にして嬉しいもんなのかな。
以上。やっぱ凄く面白いな。それぞれのミステリも水準以上だし、何より栞子さんの母親の謎が深い。意味あるのかなって思っていた妹視点のプロローグ、エピローグでしっかり形になってビックリした。こっちのストーリーも気になるところ。