すべてが猫になる

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星空を願った狼の  (ねこ3.7匹)

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高里椎奈著。講談社文庫。

雨降る冬の夜、「深山木薬店」の店主・秋が何者かによってさらわれた。空っぽの部屋に残されていたのは、不可思議な一枚のメモ。『鵺は始まり。十六時間が区切り、災厄は一つ。四つ数えるまでに、交換だ』脅迫文とも思われるこのメッセージが示唆するものとは?リベザルは、秘密を胸に懸命の捜索を開始する。(裏表紙引用)
 
薬屋探偵怪奇譚シリーズ第7弾~。あぁ、発売されてる文庫に追いついてしまった。ノベルスではもう1作出ているようなのでそれを待ちましょう。
 
今回のストーリーは割と辛辣。と言ってもそれはほぼリベザルにとっての。灯視と過去に交わした「シン・リーを引き渡す」という契約が枷となって、二つの気持ちで苦しむハメになるリベザルが痛々しい。「心変わり」ってそんなに悪いことかな。葛藤するリベザルを救ったのはやはり「いつもどおりのクールでそっけない秋」であり、優しいザギであったのは嬉しいな。歌と桐のコンビと「呪い」の元を探し続けるリベザルは少し頼りない。すぐ泣く。すぐ自信をなくす。
 
カイやゼロイチも出るしキャストは贅沢であるけれど、いつもの会話の軽妙さが似合わない回なので終始ハラハラした。最終回なのかと思ったほど。だってあの秋があんな状態になるんだもんねえ。表紙の幼い感じの少年は秋だったのか。。なぜだろう、あんま萌えない。ピュアはシリーズに1人でいいよ。