すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

神様ゲーム (ねこ3.8匹)

f:id:yukiaya1031jp:20210523153939j:plain

麻耶雄嵩著。講談社文庫。

神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。(裏表紙引用)
21.5.23再読書き直し。
 
読むのは三度目だと思うが、ラストなんか誰か燃えて終わったな、、というぐらいしか記憶になく。ミステリーランドなのに子ども向けじゃない!という感想はもう全員が抱くだろうからそこはもうスルーとして、単純にどんな内容だったのかを確認。
 
ラストで燃えたのがなぜあの人だったのか、という点が議論になっていると思うが、考え方は2パターンあり、どちらも納得いかない点が残るあたり、問題作と断罪すべきか麻耶作品だからねと諦めるべきか微妙なところだと思う。まあ自分のまとめをネタバレで↓
 
 
 
 
 
 
 
 
 
母親が犯人の場合、隠れるには子どもと同等の体格でなければならない。いくら小さいとはいえ、ちょっとムリがある気もする。小学生のミチルと肉体関係があった、というのも非現実的。しかしこの二点、絶対にないとは言い切れない。スッキリしないだけで。
 
父親が犯人の場合の方が本文で述べられている犯行方法やミチルとの関係に信ぴょう性があると思う。しかしこの場合、鈴木は神様ではないことになる。あくまで鈴木のゲームであったとしたら、ミステリーとしては成立する。(ミチルの死も偶然ということになり、うまいとは言えない)
 
 
 
 
 
 
 
 
ということで結論が出ない。読者がそれぞれ感じてくれということなのだろう。
久しぶりに読むと冷静。割といい評価をしていた作品なのだが、今回はなかなかに苦戦した。得たものはあるが、読まずに大好きなままでいた方が良かったかも。。