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眩談  (ねこ3.8匹)

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京極夏彦著。角川文庫。

 

僕が住む平屋は少し臭い。とくに薄暗い廊下の真ん中にある便所は臭く、そして怖い。ある日の夕暮れに、暗くて臭い便所へ向かうと…(「便所の神様」)。無職になった私は秩父にある実家に戻った。ただし私は家が好きになれない。得体の知れないシリミズさんが祀られている上に、中庭には変なモノが出る(「シリミズさん」)。暗闇が匂いたち、視界が歪み、記憶が混濁し、やがて眩暈をよぶ。京極小説の本領を味わえる8つの物語。(裏表紙引用)

 

 

現代怪談シリーズ第3弾~。

 

「便所の神様」
昔のトイレって雰囲気あるなあ。木の蓋ついてるやつあったようななかったような。中に誰かいるのかと思ったらまさかの裏切り。

 

「歪み観音」
世の中の景色や物、人が歪んで見えるようになった少女の悲劇。観音様とのやり取りが笑える。

 

「見丗物姥」
「丗」こんな字初めて見た^^;6年に1度の祭りで少年がこっそり覗いた見丗物小屋。一緒にいたとよちゃんの行方は。

 

「もくちゃん」
子どもの頃、友だちの亀ちゃんの隣に住んでいた「もくちゃん」。殺人の記憶を額から流し込む能力っていうのがショッキングで、作品内でもちょっと異色な派手さ。

 

「シリミズさん」
実家に帰ってきた娘。家にずっと祀ってある「シリミズさん」に水をあげなかったらどうなるのか。シリミズさんの造形も大概だが、心霊現象のぺらぺらさんのほうが面白かった。

 

「杜鵑乃湯」
「ほととぎす」と読む。「ケン」で出ます(;´Д`A。ひなびた温泉地で現れる気味の悪い幻覚。最後のネバネバした温泉の正体ってまさか。。

 

「けしに坂」
家族の思い出は忘れた方がいいのか。弁当に入っていた髪の毛のくだりが忘れられない。

 

「むかし塚」
小学1年生の頃によしこさんが貸してくれた漫画。よしこさんって本当にいたのかな。お互いにとっていい思い出だったのだなと思うことにする。


以上。第3弾にしてもクオリティは全く下がらず。読むたびに「これが一番好きかも」と思わせる面白さが凄いなと。あと1作出ているのでチャッチャと読むことにする。薄いしね。