すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

タイトルマッチ  (ねこ3.5匹)

イメージ 1

岡嶋二人著。講談社文庫。

元世界ジュニア・ウェルター級のチャンピオン最上永吉の息子が誘拐された。彼を破ったジャクソンに義弟が挑むタイトルマッチ二日前の事だった。犯人の要求は、”相手をノックアウトで倒せ。さもなくば子供の命はない”。犯人の狙いは何か!?意想外の脅迫に翻弄される捜査陣。ラストまで一気のノンストップ長編推理。(裏表紙引用)


今回読んだ岡嶋さん、またしても誘拐ものです。馬が誘拐されたりコ○○○○○に誘拐されたりと色々ありましたが、今回もまた一風変わった設定の誘拐もの。それは別にボクシング界を扱ったもの、という理由ではないのですね~。通常ならば”負けろ”というのが八百長だと思うのですが、本作は真逆で相手に”勝て”というものなんです。こればっかりは意志でどうにでもなるものではないですよね。対戦相手に相談しようにも、その相手側が犯人かもしれないのですから演技の入る余地はないわけです。
しかも、要求されたのが子供を誘拐された本人ではなくて、その義弟だというのですから、これはお互いの心中は察してあまりあるでしょう。

容疑者は意外と早く浮上しますので、そういう点でのどんでん返しとか意外性には乏しかったかも。動機についても目の覚めるようなものではなかったですし。ただ、子供に対する犯人の対処などなどは見所ありです。ドラマ性がここでぐっと高くなりましたね。
ボクシングの試合シーンも迫力でしたし、男性ならこれを読んでボクシングをやってみたくなったりするのかな^^