綾辻行人著。角川文庫。
伝説の『殺人鬼』、ふたたび。双葉山の惨劇から三年、最初にそれと遭遇したのは休暇中の一家。正義も勇気も家族愛も、ただ血の海に消えゆくのみ。そしてそれは山を降り、麓の街に侵攻するのだ。病院を、平和な家庭を、凄惨な地獄風景に変えていく。殺す、殺す、殺す…ひたすら殺戮を欲する怪物に独り立ち向かうのは、不思議な“能力”を持った少年・真実哉。絶望的な闘いの果てに待ち受ける、驚愕と戦慄の結末とは!?―。(裏表紙引用)
20.2.28再読書き直し。
殺人鬼シリーズ第2弾。
前作で生き残った殺人鬼が双葉山を降りて町へ。とにかくまあグロい。前作よりグロい。子どもがやられるところまではあるあるかもしれないが、消化器のくだりや塩酸飲みまで行くともう。現代でもなかなかこういう描写まではないんじゃないかと。前作神視点多人数視点だったのが、こっちでは真実哉という他人の視点や心に入り込める少年の視点が混ざるのでテンポや緊迫感は薄めかな。最後に明かされる真相も前作に比べると衝撃度は少ない。伏線や論理的か現実的かという点では。
それにしてもやはり、外に逃げりゃいいのに敷地内にある道場に隠れるとか敵うはずもないのに助けようとするとか、ホラーの定石通りにイライラさせられるな、と。