まだ梅雨の始まらない五月の終わりの鎌倉駅。よく似た顔立ちだが世代の異なる三人の女性が一堂に会した。 戦中、鎌倉の文士達が立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」。千冊あったといわれる貸出本も発見されたのはわずか数冊。では残りはどこへ――夏目漱石の初版本も含まれているというその行方を捜す依頼は、昭和から始まり、平成、令和のビブリア古書堂の娘たちに受け継がれていく。 十七歳の「本の虫」三者三様の古書に纏わる物語と、時を超えて紐解かれる人の想い。(裏表紙引用)
扉子シリーズ第4弾。
今回は、鎌倉文庫についてのお話。夏目漱石、川端康成などが千冊ほどの愛蔵書を持ち寄って貸本屋として始めたらしい。貸出本には「読書券」が挟まっていて、当時はその券でお客とのやり取りをしたとのこと。この読書券、ぜひ見てみたい!って読書家ならみんな思うんじゃないかなあ。カッコイイじゃない、響きも。読書券。。まあ、貸本だから返却しなければ自分のものにすることは簡単にできそうだけど。。一体誰が?ってところがお話のキモ。
古きゃなんでもいい、お金になればいい、みたいな実業家くずれもいれば扉子や栞子さんみたいに本を丁寧に扱う人もいて、まあ綺麗であればあるほど価値があるっていうのは理解出来るけど、私のような凡人にはそこまでだな。
で、智恵子さんの若かりし頃や夫との出会い、失踪までの経緯が明かされているので貴重な巻かも。やっぱりこの人だけは理解できない。。。夫だけならともかく、子どもがいるのにねえ。家族より本が大切というより、根っからの変人なのかしらね。
ところで、扉子オススメの「ちくま文庫 日本文学全集」が気になって色々調べてしまった。こういうの集めたらカッコイイかも(もちろん読むのよ)。