すべてが猫になる

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流星と吐き気  (ねこ3.8匹)

金子玲介著。講談社

☆『死んだ山田と教室』で2025年本屋大賞にノミネートされた著者が送る”嫌愛”短編集。 登場人物は皆、身勝手でクズ。でも、そこに人間の本質があるーー。 ・偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をしようとするアーティスト。――流星と吐き気 ・アニメにもなった作品の主人公のモデルは自分? サイン会で作者が元カレか確かめる高校教師。――リビングデッドの呼び声 ・担当編集者に振られたにもかかわらず、才能は認められていて作品だけで繫がっている人気漫画家。――種 ・昔付き合っていた彼女から独り言のようなLINEが送られてきて、死を仄めかされた編集者。――消えない ・かつて旅行先で意気投合した男性が偶然お客さんとなり舞い上がるレンタル彼女。――プラネリウム 仄暗い気持ちが過去を呼び戻してしまう5人の物語。(紹介文引用)
 
初読み作家さん。
Xでたまたま流れてきて、タイトルと表紙に惹かれて読んでみた。ミステリーではないんだけどね。「嫌恋短編集」だそうな。うまいこと言う。登場人物は全員、過去の恋愛をこじらせまくって相手に迷惑をかけているという。。
 
15年前の高校生時代にちょっとだけ付き合った女性と再会し、今でも1番好きだと熱く告白する男、人気マンガ家になった元カレのサイン会へ「あのモデルは私だよね」と言うために顔を出す女性、付き合った担当編集者にフラれ縒りを戻そうとあがくゲイの人気マンガ家、元カノから毎日数分おきに病んだラインが送られてくるが返信しない既婚の漫画編集者、昔5日間だけ付き合った男と再会し熱烈な思いを伝えるレンタル彼女業の女性。
 
まあ全員こっぴどくフラれるのだが、全員こじらせまくっていて立て板に水と自分の想いをしゃべりまくる。相手はドン引きで吐き気がするほど気持ち悪がっている。そこまで言うか、、というぐらい相手を言葉の刃で傷つけて1ミリの希望もないほど完膚なきまでに拒否。、、、というのがだいたいの作品のおおまかな流れ。あまりに幼稚で一方的で読んでいてうんざりするが、まあサラサラと読みやすいので。。ちょっと芥川賞なんかにありそうな詩的表現もあり、ラインの文面なんかも多用され今風で本を読まない人にも読みやすそう、こういうのも流行りなのかなと。ちょい若い子向けかな。
 
でも、「身勝手」だけど「クズ」は言い過ぎじゃない?クズではないと思う、みんな精神面が成熟しきっていない恋愛ベタってだけ。メンヘラっていうのかな。