すべてが猫になる

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そして誰かがいなくなる  (ねこ4匹)

下村敦史著。中央公論新社

大雪の日、大人気作家の御津島磨朱李が細部までこだわった新邸のお披露目会が行われた。招かれたのは作家と編集者、文芸評論家と……。最初は和やかな雰囲気だったが、次第に雲行きが怪しくなっていく。奇想天外、どんでん返しの魔術師による衝撃のミステリー!(紹介文引用)
 
下村さん2冊目。
下村さん初の本格ミステリーだって。ミステリー作家が建てた洋館、招かれた作家や書評家たち、隠し部屋、、もうほんとにコッテコテの本格ミステリー。下村さんがここまで本格ミステリーに精通してらっしゃるとは知らなかった、随所にミステリ愛と広い知識が伺えますなー。好感度大。
 
それはそれとして、いや、あのねえ。これはねこ点大サービス。なぜかは、読んだ人には分かると思う。言わないけど。帯に堂々と書いてあるみたいだけど、これ知らずに読んだ方が最後に驚けると思うんだよなあ~。まあ、この事実があるから読んでくれる人が増えるんだろうけど。
 
殺人事件や消失事件のトリックについては正直それほど瞠目するものではなくて(館の仕様がそうなってる、ばっかりじゃん、と思った)、そこだけで評価するのは可哀想かな?まあ登場人物のセクハラ発言多すぎとか、視点人物が同じ章でコロコロ変わるので読みづらいとか、登場人物の行動にリアリティがないとか(睡眠薬のくだりとか。。ここは関係ないのでどうでもいいけど泊まりの予定がない女性がフルメイクできる化粧品やスキンケア用品を持ち歩いてるのはヘンだし、そもそも家主が着替えなどに気を配る描写がないのも??)色々気になるところはあったけども。まあしかしラストのある人物の正体は普通にビックリしたし、なによりエピローグがこの小説のキモだと思うので。。いや、遊び心満載で楽しめた。最後のQRコードもちゃんと読み取りました。