
深水黎一郎著。星雲社FICTIONS。
美術にまつわる犯罪を解決するために警視庁に新設された「美術犯罪課」。 その課長代理を命じられた森越歩未(もりこし・あゆみ)と唯一の部下・馬原茜(まはら・あかね)に初めて課された任務は、日本きっての名家・鷲ノ宮家による名画コレクションの巨額脱税疑惑。時価数百億円とも謳われるそのコレクションに出された鑑定結果は、なんと“すべてが贋作”だったーー!? 捜査を進める中、新たに浮かび上がった「絵の中で歳を重ねる美女」の謎に、美術犯罪課は芸術探偵こと神泉寺瞬一郎(しんせんじ・しゅんいちろう)の力を借りて立ち向かうがーー? 今と昔、真と贋とが絡み合う傑作美術ミステリ!(紹介文引用)
芸術探偵シリーズ。
第何弾とかもう分からない。。おおべしみや海埜警部補も出てこないので瞬一郎スピンオフみたいなことなのか。でも自分的にはこの瞬一郎がもともと存在感強くてシリーズキャラ、主人公みたいな感覚だったのだけど。
と、内容が芸術薀蓄ざんまいでわけがわからないから感想をごまかすために文字数を埋めているわけではない。
今回は美術犯罪課が新設され、歩未&茜という新キャラ?が一応主人公ということで。キャラが立っていてなかなかいいんじゃないかな。最初、茜の言葉使いがぶっ飛びすぎていて本を投げつけそうになったが・・・「なりやす」とか「あっし」とか「おいどん」とか「ごわす」とか。。。読んでいるうちに一周回って面白くなって来たので良かったけど。まあこうやって難しい薀蓄ミステリーを取っ付くやすくしてくれているんですね、深水先生は(願望)。
美術関連はわからないながらも、贋作がどれほどの膨大な数作られているのかとか贋作の手法などなど、素人にもそれなりにわかりやすい説明で興味を持てる感じだったのが良かった。税問題なんかも、日本では色々うまくいかないんだな。基本的に日本は目に見えない芸術を軽んじている傾向があるからむべなるかな。これは日本とかそういう問題じゃないし絵に限らんけど、名前で作品を見ているイメージもあるしね。。
まあとにかく、絵の中のモデルが急に年を取った「時乃像」のからくりや今回の贋作の手口なんかはなかなか面白かった。
それにしても瞬一郎の「マイ蛍光X線分析装置」ってなんやねん。