すべてが猫になる

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弟、去りし日に/The Last Highway  (ねこ3.7匹)

R・J・エロリー著。吉野弘人訳。創元推理文庫

弟の訃報が届いたのは朝食後すぐのことだった。車で何度も轢(ひ)かれて殺されたのだという。保安官のヴィクターは、弟とは憎しみ合った末に疎遠になっており、悲しみは湧かなかった。だが弟の10歳の娘から、真相を調べてほしいと頼まれて……。姪(めい)との交流と真実を追い求める旅路が、ヴィクターの灰色の人生を切なくも鮮やかに彩っていく。一人の男の再生を描く、心震えるミステリ。(裏表紙引用)
 
初読み作家さん。
タイトルとジャンルに惹かれて読んでみた。原題とは全然違うんだね。こっちのほうが情緒があっていいと思う。内容にも合ってるし。
 
ある出来事をきっかけに絶縁した保安官兄弟。ヴィクターの弟フランクが何者かに何度も執拗に轢かれて殺害された。弟には妻と娘がおり、彼女たちと接触したことでヴィクターの中で犯人を見つけたいという使命感が芽生える。。
 
あからさまに犯人だぞという雰囲気ぷんぷんの悪党どもが登場するので、まあこのうちの誰かがやったんだなという予感があり意外性はない。連続少女誘拐殺人事件とどう関わっているのか、フランクは悪徳警官だったのかどうだったのか、それを知りたいが知りたくないというヴィクターの葛藤や、ずっと1人で生きてきた男(バツイチだけど)の「実は人と関わりたい」という自分でもきづいていなかった願望がハッキリしてきてそこは良かった。姪との心の絆が芽生えるあたりも。
 
ただねえ、主人公側?警察側?正義側?が、引くぐらいの暴力を行使する系統はあまり好きでなくて、、そこはさ、知能というか努力的なフィジカルの方向で解決して欲しかったよーな。拷問して吐かせるとか〇ク〇じゃん。