すべてが猫になる

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嘘でもいいから誘拐事件  (ねこ3.2匹)

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島田荘司著。集英社文庫

TPSテレビ、夜のお楽しみ番組「八時スペシャル」。やらせの権化と誰もが恐れる軽石三太郎ディレクターと取材班(ターボとタックのウルトラお調子コンビ)が「こんばんワン」と鳴く犬を求めて東北の秘境、鬼首村に繰り込んだ。大雨の中、突如レポーターの美穂ちゃんが誘拐されたことから奇怪な出来事が次つぎに起こり始め、おもわぬ番組ができあがる表題作、他。泣く子も笑うユーモアミステリー。(裏表紙引用)
20.8.24投稿。
 
島田氏の息抜き作品、続編。
 
前作もかなりの脱力モノだったが、80年代のお寒いノリそのまんまの続編。中編2作収録ということで。まあ薄いからなんとか読めた。前作で慣れたのか諦めたのか、こういうもんだと割り切って読めば怒りもそれほど湧かない。
 
「嘘でもいいから誘拐事件」
ハチスペのロケのため、今回は三太郎班東北へ。ゴンドラから消えたタレントの美穂はどこへ?身代金10万円の安すぎる脅迫状は誰が出した?
く、くだらない理由。。。トリックはまあ盲点かな。痛々しいノリは許すけど、せめてもう少しミステリとしてちゃんとしてれば。。。ははは。。
 
「嘘でもいいから温泉ツアー」
少し年月が経って1987年。タックはディレクターに、三太郎はプロデューサーに。しかし関係性は何も変わっていない。信州の五色温泉は午前0時に色が変わる!?動物たちが温泉に浸かる!?そしてトンネル内でタックたちを追ってきたパトカーが突然スピン、崖の下へ…!バスクリンで色を変え、着ぐるみで動物に。いつものやらせが半端ない。視聴率さえ取れればいい、時代だなあ。今やったら完全にアウトだもん。こんな時代が来るとは夢にも思わず書いてるんだろうなと思うとなんだか愛おしくもなる。川口浩とか今観たら最高に面白いんだけどね。
 
ターボが探偵役じゃなくなってたり、勢いがちょっと衰えてきた感じ。だから読めたのかな。時間つぶしにはいいと思う。