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侵入者 自称小説家  (ねこ3.7匹)

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折原一著。文春文庫。

クリスマスの朝、発見された一家4人の惨殺体。迷宮入りが囁かれる中、遺族は“自称小説家”の塚田慎也に調査を依頼する。彼が書いた、同じく未解決の資産家夫婦殺人事件のルポを読んだという遺族。2つの事件の奇妙な共通点が浮かびあがり、塚田は「真相」に近づくため、遺族を出演者とした再現劇の脚本を書きはじめる―。(裏表紙引用)
20.8.25投稿。
 
ここ最近読んだ折原作品の「~者」シリーズの中では面白かったほうかなと思う。自称小説家が語り手、っていうのはワンパターンだけど。あの例のライターカップルが出てくるよりは好みかな。
 
クリスマスイブの夜に起きた凄惨な一家四人殺人事件。自称小説家の塚田は、被害者遺族の主人の兄から事件を捜査し一冊の本にするよう依頼される。かつて塚田は資産家夫婦殺人事件のノンフィクション本を自費出版で出しており、その事件との関連をも推理するが――。
 
登場人物が全員怪しくていい。依頼してきた男も馴れ馴れしいし手紙もふざけてるし、車椅子の祖父も怪しさ全開。たびたび登場する謎のピエロがいい味出してる。しかし、中盤からの遺族出演「再現ドラマ」はどうなの。。普通やるかね。。。幕間含め、それの脚本と現実が交互に現れていい具合に混乱。しかし真犯人にはちょっとビックリ。さらに驚愕の真相もあるわけで。折原作品だからまあこれぐらいは普通なんだけどね。読み物としてはホラー要素もあっていいんじゃないかな。