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黒い森  (ねこ3.5匹)

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折原一著。祥伝社文庫

「ミステリー・ツアーの目的地で待っている」駆け落ちする二人の恋人に、同じ内容のメールが届いた。行き先は、樹海の奥、作家が家族を惨殺したと伝えられる山荘。ツアー客が一人、また一人と樹海の闇に消えてゆく中、恋人が待つ目的地へ辿り着けるのか? そして山荘の固く閉ざされた一室で待つものとは……。仕掛け満載、心拍数急上昇のサスペンス・ミステリー!(裏表紙引用)
20.8.23投稿。
 
前から「生存者」後ろから「殺人者」、真ん中に解決編の袋とじ。面白い試みだし、折原作品に合っていると思う。どっちから読んでもいいけど、書いてあるように「生存者」から読んだほうが分かりやすいんじゃないかな。
 
ミステリーツアーで樹海へ向かった一行。樹里は恋人の留美夫(ロミオとジュリエット。。)からのメールで、樹海へ向かうことに。しかし添乗員はじめ、ツアー客みんなの様子がおかしい。樹海を進むうち、逃げ出す者、死んでしまう者、はぐれる者。果たして樹里は山荘にたどり着き、恋人と駆け落ちできるのか。
 
これの留美夫視点になってるのが「殺人者」。同じような登場人物、同じようなストーリーだけど少し違う。なんとな~く、このミステリーツアーの真の目的は予想がつくよね。おかしいと思ったんだ、首吊り死体置きっぱにするし逃げる人追いかけないし。そんな度肝を抜くような真相ではなかったけれど、読み物としてはなかなか。舞台が樹海ってだけでもうね。
 
ところで合言葉が二人とも同じって意味あるの?