すべてが猫になる

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潜伏者  (ねこ3.6匹)

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折原一著。文春文庫。

若手ルポライター・笹尾時彦は、新人賞の下読みのバイトで奇妙な原稿に遭遇した。「堀田守男氏の手」と題されたそれは、どうやら北関東で次々に起きた少女失踪事件を題材にしているようだ。興味をそそられた笹尾は、調査に乗り出した。容疑者、被害者家族、そして謎の小説家の思惑が交錯するとき、新たな悲劇の幕が開く!(裏表紙引用)
20.8.22投稿。
 
連続して同じ作家を読むメリットは、前作に出てきた登場人物のことが分かるということだな…。さすがに8冊連続は飽きまくってきたぞ。そして今作は少女連続失踪事件を題材にしていて、なかなかの力作。…だけど、ネタ切れなのか力みすぎてたかなあ。ストーリーは良いのだけどね。失踪した少女たちの母親や父親がかわるがわる登場して、どの人もなかなかエキセントリック。どの人も怪しいな。。いや、折原作品じゃなかったら親を疑ったりはしないんだけど。語り手が本当にこの人なのか疑ってしまうというほうが正しいかな。幕間に出てくる人物は誰を指すのかなあ、とか。
 
ぐるぐる反転して、意外な人物が事件に関わっていたり、あの人物は実はあの人だったりと凝っていて良かった。が、結末のあの真相はちょっとなあ。。バレるだろう。。。ちょっとあり得なすぎて「???」になったのが残念。やりすぎ。でも、本当にこうだったら良いのにとは思える。シリーズキャラ?の笹野と百合子の関係が謎すぎる。。