すべてが猫になる

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追悼者  (ねこ3.5匹)

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折原一著。文春文庫。

浅草の古びたアパートで絞殺された女が発見された。昼は大手旅行代理店の有能な美人OL、夜は場末で男を誘う女。被害者の二重生活に世間は沸いた。しかし、ルポライター・笹尾時彦はOLの生い立ちを調べるうち、周辺で奇妙な事件が頻発していたことに気づく。「騙りの魔術師」が贈る、究極のミステリー。(裏表紙引用)
20.8.11投稿。
 
ン~~~~。。。。。
折原作品、特に「~者」シリーズを続けて4冊も読むとさすがに飽きがすごいというか、当たり外れがすごいというか。初期作品ほどややこしくなくなっているのは歓迎だけども、今作はちょっと題材が好みでなかったのと、<幕間>以外はずっと同じ展開なので飽きるのと、やっぱちょっと強引なオチにガッカリしたのと。「東電OL殺人事件」を題材にしたようだけども、事件名は知っていてもその内容は知らなかった、実は。昼の顔と夜の顔がテーマだけども、もう令和の今はこういう女性結構いるみたいだもんね。今は別に小悪魔とか二面性とか暗い過去とか、そういう深い事情もないと思うし。。まあ、昔だったら相当センセーショナルだったんだろうな。
 
そんなわけで、殺された大河内奈美の人生はかなりセンセーショナル。生い立ちも割と複雑だったりするし、なんといっても彼女に深く関わった人間は皆事故や事件に巻き込まれてるっていうのが。。そして、被害者なのに面白がってマスコミや世間が奈美のプライバシーをこれでもかと暴きたてるのがリアルでコワイ。。芸能人の不倫とか離婚とか色々報道あるけど、なんで皆そんなことを一生懸命知りたがるのか疑問である。
 
1人の女性と犯人たちの人間ドラマという点では色々考えるところもあったけども、結局なんだったのって感じで終わってしまった。ちょっと無理がないかい。