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高山殺人行1/2の女  (ねこ3.6匹)

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島田荘司著。光文社文庫

斎藤マリに不倫の相手・川北留次から、突然「女房を殺してしまった!警察に自首しようと思う」という電話が…。窮地に立たされた2人は、1つの計画を思いつく。清里―軽井沢―上高地―高山を結ぶ山岳ドライブで、恐怖と戦慄のサスペンス。車好きの著者が放つ、謎とスリルに満ちた新感覚殺人行の力作。(裏表紙引用)
20.8.30投稿。
 
吉敷シリーズではないのでほったらかしにしていた本。うっすいのですぐ読めた。表紙はコレではなく白いデザインのほうなのだが。昭和っぽいなあ。。
 
OLのマリがエリートの不倫相手川北のために車で清里~軽井沢~上高地~高山を奔走するスピード感あふれるサスペンス。川北が自宅で妻を殺してしまい、マリのところへ泣きついてくるあたりからもうイラっ(笑)。川北が立てた計画通りに行動するマリにもイラっ(笑)。まあここで自首したら物語にならないわけだけど。あまりにも倫理観がなさすぎて苦笑レベル。愛した男のためにここまでやらなければ女に生まれた甲斐がない、とかさ。まあ、言ってもしょうがないけど昔の価値観ってほんとおかしかったんだな。
そしてこのマリがどんくさくてイライラ。。いくらなんでも片方の靴が脱げてて気づかないなんてことありますか。。いきなり車が故障して知らない男の助けを借りるハメになったり。まあそんなこんなでそれでもトラブル続きながらもハラハラ面白くは読めていた。しかし、途中からなんだか雲行きがおかしい。軽井沢の人々が、みんな自分を知っているようなのだ。。このあたりから、まあだいたいの真相は読めてしまった。そういう読者多いと思う。
 
ラストのどたばたはあまりにも酷いしもしかしたら駄作の類かもしれないけれど、そこは島田作品なので読んでいてつまらなかった、ということはない。かも。