すべてが猫になる

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UNKNOWN (ねこ2.8匹)

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古処誠二著。講談社ノベルス。第14回受賞作。


自衛隊のお話。
侵入不可能なはずの部屋に盗聴器が!
スパイ?犯人は誰?動機は?どうやって?

こういうお話(いや、こんなに軽くはないですけど)。のうちの、「どうやって」部分が
見せ所のミステリなのかな?全然すごいと思わなかったですけど。

この本の売り文句がすごい。「完璧に張り巡らされた伏線!重厚なテーマ性!リアリティ溢れる
描写力!熱く、そして端正な本格ミステリが誕生した!」
ふふふ、すごいでしょう。
しかし、自分がその通りだと感じたのは「リアリティ」「端正」のみ。
本格ミステリと銘打つには、弱すぎる。殺人が起きないからではないですよ。
トリックも別に、だったし、そもそもトリックに気付いた理由がなんて地味なんだ。
まあ細かいジャンル分け論議をしたいわけではないので、どっちでも面白ければいいんですが。
弱いなあ。全体的に。

こういうのがメフィスト賞にひっかかったポイントってどこだろう?(理解できなかったので)
自衛隊の方が現実にノンフィクションで経験を元に書いたのか、ってくらいリアルなところ?
でもそれを言うなら新堂冬樹の方が。
やっぱ、この動機か。
そんなことのためにこんな大犯罪を犯す心理。理解不能でしたが、妙に哀しい。「お国のために」
精神の(いつの時代だ)実態はこんなもんですよ、なんて。
え、ほんとにこの作家自衛隊に所属経験ないの?