北山猛邦著。講談社ノベルス。第24回受賞作。
全然思い入れがないのでまたしてもあらすじは背表紙引用。
現在、過去、未来。別々の時を刻む三つの大時計を載くクロック城。そこは人面樹が繁り、
地下室に無数の顔が浮き出す異形の館。謎の鐘が鳴り響いた夜、礼拝室に首なし死体、
眠り続ける美女の部屋には二つの生首が。行き来不能な状況で如何に惨劇は起こったか?
そしてきわめつけは「結末が袋とじ」。
どうです、面白そうでしょう。買うでしょう、ミステリファンなら。読むでしょう、
新本格マニアなら。手を出すでしょう、メフィスト賞なら!!!
ふうーー。この熱い期待はどこで処理したら良かったのでしょうか。
1999年に世界は滅びるーー。ほほう。
SEEM??なにそれ?
スキップマンに襲われるーー!ほほほーう。
設定はオッケー。いいじゃない。雰囲気もあるじゃないですか。
文章力がないわけではないと思う。なのにこの登場人物の描けてなさはなんですか。
すんごく普通なんですけど。殺人が起きてからは特にね。
そして、トリック。ああああ、これかよ(涙)
好きなトリックですけど、まさか袋とじの正体はこれとは(笑)
乱歩と思っていたらル○ンだった。。。(ずし~ん)
おーい、あんなに思わせぶりに描いていた「スキップマン」は?
SEEMって、このストーリーに果たして必要?
崩壊の仕方も中途半端だぞおい。
やりたいことが何なのかはおぼろげにわかるけど、、、。
遺伝のアレについても、せっかくいいもの考えてるのに説得力に欠ける。思いきって
SFミステリにしたら良かったのに。
唯一「おお」と思ったのは、首を斬った理由でしょうか。今どきのミステリ、という感じ。
と、あんま書いてると怒られそうなのでこのへんで。
あ、コレって、いわゆる「麻耶雄嵩の後続作家」てやつ?