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火蛾 (ねこ3匹)

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古泉迦十著。講談社ノベルス。第17回受賞作。


ちょ~~っとこのお話はややこしくて入りにくいので、あらすじは帯を引用。
手抜きですいません。

十二世紀の中東。聖者たちの伝記録編纂を志す作家・ファリードは、取材のため、アリーと
名乗る男を訪ねる。男が語ったのは、姿を顕わさぬ導師と四人の修行者たちだけが住まう山の、
閉ざされた穹廬の中で起きた殺人だったーーー。

イスラム教かあ。このへんの知識、皆無なもので辛いかなあと思いきや、意外と文章は
読みやすいしそんなに専門寄りの内容でもなかった。

殺人は起きるし、推理もあるのでミステリといえばミステリ。
でも、これはミステリだミステリだと思って読んだらつまらないと思うので(はっきり)
物語として柔軟に読みましょう。
「火蛾」ってつまり、、この作品のテーマは「自己滅却」ということ?でしょうか。
主人公の悩みはこれだもの。
結局こういうのって答えなんて人それぞれなわけで、自分には程遠い世界。自分の存在意義を
捜すために火に飛び込んだりしないしねえ。。これはこういう結末でまあ良かったです。
理解はできない。でも、読み物としては優れた作品。