すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

極限推理コロシアム (ねこ不在)

イメージ 1

矢野龍王著。講談社ノベルス。第30回受賞作。


二つの館に強制的に集められた七人のプレイヤー。謎の主催者は彼らに「これから起きる殺人の犯人を当てろ。不正解の代償は、死ーー」という難題を出す。しかも、被害者も加害者もこのプレイヤーの中にいる。二つの館、両方の犯人を当てなくてはいけないーーー。


ふーーーーーー。これはダメ。
さすがにこれがメフィスト賞受賞というのは疑問。(そんなに大仰な賞ではないが)

登場人物の行動、心理が意味不明。このゲームに参加するべく心理の動向の描写はどうした。
SFでもないし。人物がステロタイプなのは百歩譲って認めるとしてもこれじゃ読者はこの世界に
すんなり入っていけないと思う。ゲームの謎を解く以前に、このゲーム自体にすごく疑問が残る。

じゃあそのゲーム自体やストーリーが面白いのかというとまったくそんなことはない。せっかく「冬の館」「夏の館」のコンピューターでのやり取り(牽制や探り合いや交流や)という面白い設定にしたのに、それがまるで中途半端。

犯人を推理する論理もかなりいい加減で、「推理小説では一番怪しくない人物が犯人だから、怪しいあいつは犯人じゃないってことだ」のような、根拠にすらならない思考が延々と続く(しかもそれが採用されてる)。この作家は推理小説を読んだことがあるのだろうか?エラリー・クイーンを読んで出直してくるべし。

犯人も、「コレかコレかアレ」の想像の域を出ないものだったし、ヒントもまっったく感心できなかった。ラストも感動しませんでした。

もうこれぐらいでいいか。とりあえず私はコレ壁本。すいません。