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さらわれたい女 (ねこ3.8匹)

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講談社文庫。


「私を誘拐してください」突然便利屋の元に現れた美しい人妻。依頼を引き受けた「俺」は、この狂言誘拐の依頼を受ける。脅迫を実行、身代金を奪取したが、とんでもない展開に巻き込まれたーー。


あんまりこの作品の評価は高くないみたいです。私は、普段こういったハードボイルドというか
誘拐ものを好んで読まないのでかえって楽しく読めました。どういう展開、設定が「ありがち」なのかがいまいちわからないのでこのくるくる展開の変わるスピード感には惹き込まれましたね。

ラストがありきたりだったという評価をあちこちで見るのですが、「殺戮にいたる病」(我孫子武丸)やら「慟哭」(貫井徳郎)のような驚愕を期待してはいなかったのでまあこれはこれで、「期待はずれ」というものでもないでしょう。


ただ、2000年に「カオス」というタイトルで映画化されたというのには驚き。うーん、映画にするほどでもないような。どっちかといえば「火サス」の方がふさわしいような。「~~女」っていうタイトルがいかにも…。