講談社文庫。
妻に多額の保険金を掛けては殺していた男。前半は、夫と妻がかわるがわる語り手となり、さらには謎の「M氏」の脅迫、を挿入しています。
ほとんどの登場人物がMのイニシャルを持っているので、性別ぐらいしか読者には提示されていないののですが。
一人称が「彼」になったり名前になったりで、中盤くらいから混乱してきます。。
折原氏といえばあのトリックですが、果たして。
……と思ったら、第三幕で一転。そしてラストでとんでもないどんでん返しが。
あらら。こんな方法もあるのね、と感心しました。
折原氏はワンパターンだと思う方にぜひとも一読をおすすめ。
氏の他の本に比べて、わかりやすいし、シンプル。でもしっかり読者を騙してきます。
ただ、もう少し、人物にリアリティがあれば…。