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骨の城/Unnatural Selection  (ねこ3.7匹)

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アーロン・エルキンズ著。嵯峨静江訳。ハヤカワ文庫。

 

環境会議の会場となった古城近くで発見された人骨。調査に乗り出した人類学教授ギデオンは、骨の特徴があぐらをかく職種の人間のもので何者かに殺害されたのだと推定する。やがて、数年前同じ場所で開かれた環境会議で参加者たちが諍いをしていた事実と、会期終了後参加者の一人が熊に喰われて死んでいたことが明らかに。さらに今回の参加者が城から転落死を遂げ…一片の骨から不吉な事件の解明に挑むスケルトン探偵。(裏表紙引用)

 


ギデオン・オリヴァーシリーズ第12(原書13)弾~。

 

マンネリの良さってものはあるもんで。だからこそ、ちょっとした変化が楽しめる。今回のギデオン夫妻はシリー諸島連合のためイギリスへ。エピローグでは熊に食べられる若夫婦なんかも出てきたり不穏な感じ。生物保護運動家と過去にもめた作家とおぼしき骨がギデオンのおかげで出てきたりでもやっぱり違ったりとギデオン大活躍するわけだが。今回は現地の巡査部長・クラッパー(と、その部下ロブ)が相棒となってかなり賑やか。ここまで脇役をフィーチャーするって珍しいと思う。やる気のないやつと思わせて実は元有名な花形刑事だったって。ノリノリのロブの明るさも雰囲気に一役買っている。あと、探知犬がすごい。死体や人骨にだけ反応する訓練を受けた犬がいるんだねえ~。犬の嗅覚おそるべし。

 

そんなこんなで解剖医のメリルが再登場したり(解剖シーンがいつもにも増してえぐい)、ギデオンがフェロー?の皆さんにもてはやされたり。しかしこの犯人はキツいね。こういう人物がなぜルミノール反応や骨のことを考えなかったのか疑問ではあるが…被害者も自業自得なところがある気もする。

 

ところでギデオンが元プロボクサーでモテる風貌だって知らなくて、へんな人妻に言い寄られてるの見て笑いそうになった。こういうのちょこちょこあるな。。既出かもしれんけど。