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BISビブリオバトル部3 世界が終わる前に  (ねこ3.9匹)

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山本弘著。創元SF文庫。

 

ライバルの真鶴高校ミステリ研究会と交流試合を行うことになった美心国際学園(BIS)ビブリオバトル部。それぞれ自分のスタイルでバトルに挑むなか、ミステリ研究長の美少女・早乙女寿美歌は巧みな話術とミステリの知識で周囲を圧倒する。だが彼女には、周りに隠し続けている秘密があるようで…。空が初めてコミケを体験する番外編「空の夏休み」を併録したシリーズ第三弾。(裏表紙引用)

 


うん、結構騙された。

 

ラストに色々と世界が変わる仕掛けが用意されているのを除けば、安定のビブリオバトルシリーズ。

 

番外編「空の夏休み」がのっけから収録されているが、空が初めてのコミケ体験(コスプレも)する回ってことでビブリオバトルはなし。コミケってここまですごいことになってるんだ。未知の世界で面白かったけど、終盤の打ち上げと称する「オタクオヤジ連中が特撮を語りまくる」展開にちょっとうんざり。リアルならこれでもいいけど、小説なら心の底から興味がない私のような人を引きつけてこそ意義があると思うんだけどな。最後に青春を語りだす先生は良かったよ。


で、本編。今回は真鶴高校で、「少年少女のためのミステリ・ビブリオバトル」。野外でお弁当持ち寄ってやるのってなんだかいいねえ。でもミステリはネタを割れないので不利だと思うと同時に、SF小説「ひとめあなたに…」を紹介する空がストーリーをオチまで語ってしまっているのに違和感。

 

今回ミステリということで期待したんだけども、苦手な作家さんや苦手だった本(「毒入りチョコレート事件」)が多かったな~と。。でも面白いのは選んだ本の内容じゃなくて、寿美歌さんが色々メンバーに悪趣味な罠を仕掛けたりしてるところ。いや、そこまでする!?ってくらい小道具とか伏線とか凝ってて、この人だいぶ変わってるなと。。やはりミステリを愛好するような人間はどこかおか(自粛)。

 

このシリーズを読んでて思うのは、本なんかなんでもいい、愛が伝われば。ってことかなあ。結局人生を変える本なんてそれぞれ違うんだからね。名作の人もいれば、二番煎じの本がそれである人もいる。だからノンフィクションしか認めない、っていう武人の意識を変えるまではこのシリーズを終えちゃいけないと思うんだ。