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書店ガール4  (ねこ3.7匹)

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碧野圭著。PHP文芸文庫。

 

「書店に就職したいと思ってるの?」新興堂書店アルバイトの高梨愛奈は就職活動を控え、友人たちの言葉に迷いを吹っ切れないでいた。一方、駅ビルの書店の契約社員・宮崎彩加は、正社員登用の通知とともに思いがけない打診を受ける…。理子と亜紀に憧れる新たな世代の書店ガールたちが悩み抜いた末に見出した「働くことの意味」とは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第四弾。(裏表紙引用)

 

 

書店ガール第4弾、ついに世代交代。前作にも出てきた大学生アルバイトの愛奈と、契約社員彩加がこれからの主人公。うん、こっちのほうが「ガール」って感じするね。

 

今回のテーマは就活の時期を迎えた愛奈が就職先を本に携わる仕事にするか否か、彩加は契約社員から正社員に昇格するものの、駅ナカの小さな本屋に配属されたことに迷いを隠せない。さらに沼津の伯母が経営している商店街の本屋をブックカフェにすると言い出し、彩加にも手伝ってもらえないかと言われ…。などなど。親友同士の2人が時々相談しあいながら、それぞれの人生の岐路に立ち向かってゆく。

 

愛奈が大学で本音を言えないのは別にいいんじゃないかなと思って読んだ。世の中、親友か他人かの2通りじゃないからね。波風立ててもいいことない、合わない意見はスルーが1番の私には愛奈の性格が好ましく映った。現に、見てくれている人はいるからね。本当の自分を。ラストの展開に思わずニヤニヤ。

 

彩加の方は対照的にあまり最初いいふうには見えなかったな。適当な伯母にイライラしている姿に見てるこっちがイライラするというか。。みんながみんな要領が良いわけじゃないんだからさあ。。自分がうまくいかない時は心の中で逆ギレしてたりするし、そういうところ結構二枚舌だなと思ったり。

 

あと、愛奈のやった就活フェアいいねえ。自分に関係ないけど、思わずメモした本がいくつかあった。やっぱり好きを仕事にしている業種は、損得や商売っ気を出すよりもお客のことを考えてほしいなあ。愛奈のような、本を心から愛する書店員さんがいっぱいいるといいのに。