すべてが猫になる

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dele2  (ねこ3.9匹)

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本多孝好著。角川文庫。

 

『dele.LIFE』は依頼人が死んだときに動き出す。託された秘密のデータを削除するのが、この会社の仕事だ。所長の圭司の指示を受け依頼人の死亡確認をする祐太郎は、この世と繋がる一筋の縁を切るような仕事に、いまだ割り切れないものを感じていた。ある日祐太郎の妹・鈴が通っていた大学病院の元教授から依頼が舞い込む。新薬の治験中に死んだ鈴。その真相に2人は近づくが…記憶と記録をめぐるミステリ、待望の第2弾。 (裏表紙引用)

 


先日読んだ「dele」の続編。なぜか2はいきなり文庫で出た。ありがたいはありがたいが…。統一してくれないと、1が分冊されたのかと思ってわざわざ収録作確認しちゃったからね。


で、今回は3作収録。2つの短編と1つの中編かな。

 

アンチェインド・メロディ」
路上で倒れ急死した作曲家。彼が削除を依頼したデータは、人気ロックバンドの曲ばかりだった。そのバンドのボーカルは男の兄で――。普通に考えたらゴーストでしたって真相なんだろうと思ったけど、そんな単純ではなかったか。兄弟愛に泣ける。

 

「ファントム・ガールズ」
突然死したOLと隣人の女子中学生との関わりは?2人が贅沢に暮らしていたのは金づるが?
海外旅行やブランドのバッグ、高価なジュエリーにオシャレなレストラン。こういうものが幸せの頂点だと思ってしまうほど空っぽになってしまうのは悲劇だね。しかし、OLがまだまだ人生これからの中学生を同士だと思えるものなのかな。

 

「チェイシング・シャドウズ」
美容クリニックの理事長が病死。以前は医大教授だった男が関わった事件とは。

 

前2作でチラホラと伏線はあったけれど、いきなり祐太郎の過去と圭司の過去が深く関わってくるので驚いた。かなりシリアスな路線だし、唐突に二人の関係が決裂してしまうのも寂しい。これからどうなるんだろう。続きが出なくてもおかしくない終わり方だけど、これでは悲しすぎる。。舞さんも全然出なかったし、前任者の夏目も登場してないし。ぜひ続きを。